大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和35年(オ)359号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人信正義雄の上告理由について。

一個の債権の数量的な一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴が提起された場合は、訴訟物となるのは右債権の一部の存否のみであつて、全部の存否ではなく、従つて右一部の請求についての確定判決の既判力は残部の請求に及ばないと解するのが相当である。

右と同趣旨の原判決の判断は正当であつて、所論は採用するをえない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一 裁判官 山田作之助)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例